読書には慣れていない初心者さんでも、安心して読めるおすすめの小説をご紹介します。
まずは難しい言葉や表現のあまり出てこない、読みやすい小説から読んでいくと、読書の楽しさに気づけるかもしれません。
ボッコちゃん:星 新一
![]() ボッコちゃん改版 (新潮文庫) [ 星新一 ]
|
読書が苦手な人でも「星新一なら最後まで読めた」という人が、私の周りに何人もいます。
物語のどれもが斬新で、心がウキウキするSFショートストーリーを集めた本作。
約50年も前の作品とは思えないほどに、面白くて不思議でスリリングです。
ひとつひとつの物語が短いので、疲れることなく最後まで読み切れます。
トリツカレ男:いしいじんじ
![]() トリツカレ男 (新潮文庫) [ いしいしんじ ]
|
題名にインパクトがあり恐ろしそうですが、不気味なことは一切なくハートフルな心があたたまる純愛物語です。
何かに夢中になると寝ても覚めてもそればかりなジュゼッペは、オペラ・三段跳び・サングラス集め・潮干狩り・刺繍・ハツカネズミなどにハマり、みんなに付けられたあだ名が『トリツカレ男』です。
そんな彼が悲しみに心を凍らせた無口な少女に恋をするお話です。
まるで西洋の絵本を読んでいるかのような世界観で、文章のリズムなども心地よく児童文庫のような読みやすさがあります。
陽気なギャングが地球を回す:伊坂幸太郎
![]() 陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス (祥伝社文庫) [ 伊坂幸太郎 ]
|
嘘を見抜く名人・天才スリ・演説の達人・精確な体内時計を持つ女。4人は失敗知らずの天才銀号強盗グループ。
…のはずが想定外のトラブル発生!何がどうなってミッションに失敗してしまったのか?その真相は…?
キャラの一人ひとりが魅力的で、文章のテンポもよく、ストーリーがあれよあれよとハイスピードに進んでいく感覚が気持ちいいです。
サスペンス小説ですが、不穏な空気は微塵もなく、題名にもあるように陽気で小粋でオシャレな物語です。
食堂かたつむり:小川糸
![]() 食堂かたつむり (ポプラ文庫) [ 小川糸 ]
|
同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、恋と同時に多くのものを失った衝撃から主人公の倫子は声も失う。
山あいのふるさとに戻った倫子は小さな食堂を始め、心のこもった料理でお客と心を通わせます。
食べることは生きること。料理を通して生命の尊さや愛がわかる心あたたまる感動ストーリーです。
難解な表現もなく優しい表現で書かれた、初心者さんも安心な小説です。
暗いところで待ち合わせ:乙一
![]() 暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫) [ 乙一 ]
|
視力をなくしたミチルと職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が寂しい二人を引き合わせ…。
表紙や題名から暗い話のような気がしますが、そんなことはありません。むしろミステリーでありながら人との繋がりを感じさせる小説です。
登場人物たちの気持ちの流れが穏やかに丁寧に描かれています。
分かりやすい描写なので、読んでいてつらくありません。
薬指の標本:小川洋子
![]() 薬指の標本 (新潮文庫) [ 小川洋子(1962-) ]
|
日本のようなヨーロッパのような、現代のような昔のような、つかみどころのない美しい世界観が魅力です。
人々が思い出の品々を持ち込む『標本室』で働くことになった、主人公の少女と標本技術士が織りなす密やかな恋と奇妙で不思議な時間…。
文章や使われている言葉は美しく、読んでいて心地がよいです。
想像力をかきたてるようなストーリーは、あなたの読書脳にいい刺激を与えてくれるかもしれません。
フランスで映画化もされました。
蜜蜂と遠雷:恩田 陸
![]() 蜜蜂と遠雷 [ 恩田陸 ]
|
ピアノのコンクールに出場する登場人物たちの、人間の才能と運命を描いた青春小説。
クラシックを聴きながら読み進めたくなるほど、文章で音楽を見事に表現できている作品です。
長編小説なので、本の厚さに読む前から怯えてしまうかもしれませんが、文章は大変読みやすく難しい言葉も出てこないので10代の人でもサラサラと読める物語です。
個人的に冒頭だけ少し退屈だったのですが、物語が進むごとにどんどん面白くなっていきました。
直木賞を受賞した作品なので、読了した後に話のタネになるかもしれません。
読みやすい小説おすすめ7選!読書の初心者でも楽しめる名作は?まとめ
文章がわかりやすくて読みやすいうえに、内容も難しくなくて面白い小説を7冊ご紹介しました。
読書は活字を読むのが慣れないと大変かもしれませんが、物語に入りこむと一気に世界に入り込めて楽しいですよ。
興味のわいた小説があったら、隙間時間を利用してぜひ読んでみてくださいね。